ひなまつり

以前、某大手中学受験塾にて事務のバイトをさせてもらっていたのですが、それがちょっと特殊で、お偉いさんのおばあちゃまがPCに疎いので、その仕事をお手伝いするといった感じで、塾に勤めているというよりは、おばあちゃまの下につかせてもらっている状態でした。

 

おばあちゃまはとっても優しくて、いつも気遣ってくださって、本当のおばあちゃんのように感じていました。

そんなおばあちゃまも、長年一緒に勤続してきた会長さんがお亡くなりになったこと、自身の年齢もあって、塾を退くことになり、それに合わせて私達バイトも辞めることになりました。

 

それから、やっぱり何となく気になって、お手紙を出そうか出さまいか迷っていた時に、おばあちゃまから荷物が届きました。ひなまつりのおかしに、とらやのようかん。

もう、ひなまつりを祝うことなんて、少なくとも家族ではなくなっていたし、友人とちょっとケーキでもつついてみるくらいになっていたので、肉親のようにお慕い申しあげていた方からのこのような贈りものは、本当に嬉しかったです。

お礼にお電話いたしましたが、お元気そうなお声がきけて、安心しました。

 

私は、過去に属していたコミュニティに戻ること、既に別の人によって成り立っている「場」に出ていくことは、過去の安寧にすがりつくようで、なるべく避けたいと思うのですが、折にふれて、当時の苦楽を共にした「人」と交流するのは、とても良いものだなあとつくづく身にしみました。

場も人も変わる、いつか袂を分かつ日が来るかもしれない、けど今感じるこの安堵感は何ものにも代えがたいし、現在の生活と照らし合せてみて、まだまだがんばらないとって思わせてくれる、とうといものです。

 

おばあちゃまをはじめ、見守ってくれる人がいることのありがたさをかみしめて、恥じない生活を送りたく思います。